straysheepのなにか好きなもの

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流された先にあるもの 『リップヴァンリンクルの花嫁』

最近は上半期ベストを語れるほど映画をみていないけど、そんな私の2016年度上半期ベスト1の作品!

 やっぱり岩井俊二監督の世界、好きです。

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代官山のカフェにおいてあったちらし。

黒木華演じる七海がSNSでつぶやいた言葉がとても心に響いた。

お見合いサイトで彼氏を見つけた。

ネットで買い物するみたいに、あまりにも、あっさり手に入ってしまった

彼にとっても、あたしはあっさり手に入ってしまった女ってことになるのかな。

ネットで買い物するみたいに、あっさりと…

…ワンクリックで

これ、このちらしにに書いてあって、読んでどんな物語なの?って。

綾野剛とお見合いサイトで出会って結婚して、受難の日々なの?ってとてもとても気になってしまった。(ぜんぜん、そんなお話じゃなかった!)

わたくし、綾野剛が大好きなので…あんまり嫌な男だと見たくないなぁ、なーんて考えながら映画館へ足を運びました。 

 が、やはり岩井俊二監督。

私なんかが想像できるくらいの、そんな簡単な物語じゃなかった。

テレビドラマで第3話くらいで最終回を想像して、ああやっぱりね的な、そんなインスタントな映画ではなかった。

想像を裏切る、非現実的な物語。 

3時間あるのにあっというまに過ぎてしまって、残業続きの寝不足な体に21時過ぎからの映画は辛い…と居眠り覚悟で臨んだものの、1秒も眠くならない。

そんなことより、お仕事やうじうじ考えていた悩みや疲れを忘れました!

よかった、最終日の最終上映に間に合って!と神様に祈るような気持ちになりました。

 派遣契約で教師をしている七海がお見合いサイトで出会った男性と結婚することになり、綾野剛演じる安室行舛が営む「なんでも屋」に結婚式の代理出席を依頼。結婚後、夫の不倫疑惑で安室に相談するうちに、姑に七海が浮気していると決めつけられて家を追い出され、スーツケースに荷物を詰め込み東京の街をさまよっていたところ、安室が助けに来てくれて…と前半だけで七海の環境は目まぐるしく変化するのに、黒木華のほんわかとした雰囲気と七海のなんとなく状況に流されて抵抗しないところが、めまぐるしさを感じさせないです。

この七海というキャラクターは黒木華をイメージして描かれたもの、というのとです。

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黒木華ちゃん独特の雰囲気が映画のもつシュールな部分と相反し相乗効果でよく描かれていて、不思議の国に迷い込んだアリスのようでした。

新婚生活を送った世田谷のマンションから蒲田駅周辺の古いホテルにたどり着いた時は、もうたぶん白うさぎを追っかけたアリスみたいに違う世界なのでは、なんて。 

綾野剛演じる安室行舛(あむろ  ゆきます)ってそんな名前なに?!偽名感半端ない!

なんでも屋という職業も胡散臭いのに、安室がまた変に誠実そうにみせて腹黒そうで…。

最後まで、本当は悪い人なのかどうか判別できなかった。たぶん、きっと本当はいい人、と思わせられるひとでした。ホントにかっこいい、と思うのは私が綾野剛のファンだからかな。

岩井俊二監督のありふれた毎日がホントはぜんぜん非日常、っていうところが好き。「4月物語」や「花とアリス」のような。全くありえなさそうな「スワロウテイル」とかより私の好みです。

ちなみに、岩井俊二監督の映画で私がいちばん好きなのは、「四月物語」。

 

四月物語 [DVD]

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 10代の松たか子主演で、北海道から東京の大学に進学してきた卯月の物語。

ヒロインの上京理由が最後まで明らかにされず、ラストでわかった時は劇場で感動。「もう一度必ず観よう」と翌週また観に行ったくらい、ステキな理由でした。

ありふれている理由なのに、心を打たれました。

 今回の「リップヴァンウィンクルの花嫁」は、そのタイトルの意味に物語終盤で気がつきました!

うわあ、こういう意味か、と。 

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黒木華ちゃんって儚いです

途中、七海は安室の紹介でお屋敷のメイドをして働くんだけれど(お給料は住込み月100万!…なんて怪しいバイト)

そこのメイド仲間のCOCCO演じる真白と出会ってから、さらに現実感が希薄となっていく。

真白の幸せに関する言葉が悲しい。

繊細なひとなんだとわかると同時に、どんな人生を送ってきたんだろうと。

 

ラスト目覚めた七海はどう変わるんだろう。それとも、また同じようにあるがまま生きて行くのか気になるところ。