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straysheepのなにか好きなもの

フィギュアスケートと読書と映画と雑貨といろいろ、について

だから、しっかり耳を澄ませていたい 森沢明夫「大事なことほど小声でささやく」

読書感想
昨年映画化もされた『虹の岬の喫茶店』の著者 森沢明夫さんの連作短編小説。

大事なことほど小声でささやく (幻冬舎文庫)

大事なことほど小声でささやく (幻冬舎文庫)

『虹の岬の喫茶店』は母からのお勧めで、こちらの『大事なことほど小声でささやく』も同じ年代の方が貸してくださいました。

私はよくどこでも読書しているので、読書好きと思われ(いえ、ほんとうに好きだから正解ですが)、よく本を貸していただくことが多いです。

自分の趣味だけだと同じ作家、同じジャンルだったりして意識せずとも幅が狭くなってしまう。
そんな時に風穴をあける、というか、会社の方や親戚からお勧めを貸していただけると、ほんとうに出会えてよかったなぁ、と自分では読まなかったかも、という小説に出会うことがあります。

その中の1冊がこちら。
そもそも森沢明夫を『虹の岬の喫茶店』を読むまで知らず、読んでからもちょっと忘れてちゃってた。
心温まる物語だったけど、それまでというか、まあ私の好みではなかった。

同じく心温まるお話の連作短編小説なんどけれど、『大事なことほど小声でささやく』はまずタイトルがとても好き。

村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』に「大切なニュースはささやき声でやってくる」といった言葉(ちょっと違うかも…)が出てくるんだけれど、このフレーズを読んだ時も心にすごく響くものがあって、今回の『大事なことほど小声でささやく』も琴線にふれました!
なぜでしょうね、私はこういうフレーズが好きみたいです。

通称SABというある街のスポーツクラブで出逢った、通称ゴンママというスナックを営むオカマのママを中心に娘にうざがられてるうだつの上がらないサラリーマン、無駄に美人でスタイルのいい人気少年漫画家、冴えない日々を送る男子高校生、娘を失ってから冷え切った夫婦関係に悩む歯科医、69歳でまだまだ現役で小さな広告会社の社長の視点で描かれる6編。

いい人ばかりでてくる泣けとばかりの物語よりも、ゴンママのさりげない優しさが心にじわっときます。
ゴンママのお店でバーテンとして働いている美少女、カオリちゃんの存在も見逃せない!
あまり多くを語らないけれど、ゴンママやみんなのことを静かに見守っています。
カオリちゃんが作るカクテルにはそのカクテルの言葉(花言葉のようなもの?)が登場し、それが悩みのあるお客様の心のヒントになってゆくのも面白い。

私はお酒が苦手なので無理だけど、もっとお酒が飲めたら出てきたカクテルをすべて試してみるんだけどなぁ…

もっと森沢明夫の小説を読みたい。
とりあえずはこちらが面白そう、なので探してみましょ

東京タワーが消えるまで (徳間文庫)

東京タワーが消えるまで (徳間文庫)