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straysheepのなにか好きなもの

フィギュアスケートと読書と映画と雑貨といろいろ、について

普通じゃないから素晴らしい 映画「イミテーションゲーム」

映画感想
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「イミテーションゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」を観てきました。
もうそろそろ終わってしまいそうだったので、間に合ってよかった!

不謹慎ですが、私は第二次世界大戦中の英国、特に灯下管制下のロンドンに魅力を感じていて、戦争映画は避けてしまうのだけれど、戦時中のお話となると映画でも小説でも興味を持ってしまう。

今回のこの映画は、人工知能の父と呼ばれる天才数学者アラン・チューニングの伝記的映画です。
第二次世界大戦時にドイツ軍が使用したことで有名なエニグマ暗号を、どのように解読していくかを中心に描いています。
戦争の駆け引き、禁止されていた同性愛者としての苦悩、うまくいかない人間関係、国家に背負わされた重大な秘密、、いろいろなものを抱えたチューニングを演じるのは、ベネディクト・カンバーバッチ
とても魅力的に、切なく悲しいチューニングの人生を演じきっていました。

「時として、誰もが想像しないような人物が、誰も想像しないような偉業を成し遂げる」というセリフが印象的。
これは映画のセリフなのか、実際アラン・チューニングに関係した言葉なのか。
チューニングは虐められていた少年時代に初恋の少年からこのように言われ、そしてエニグマ暗号解読機として人類史上初コンピューターを発明する!
まさにこの映画の核となるような言葉です。

そんな輝かしい功績も、公表されたのはつい最近のこと。
それまではトップシークレットとして英国で保護されていた情報なのでした。

戦後、チューニングが同性愛者として有罪判決が下され、「服役」か「薬物療法」かを選択する場面で、彼は研究を続けるために、コンピューターのそばを離れないために、「薬物療法」を選ぶ。
ホルモン剤投与のせいか手は震え、まともに考えることもできない。
天才数学者としての面影はなく、元婚約者ジョーン(キーラ・ナイトレイが演じている。ウルトラ仲間で頭の切れる素敵な女性)が訪ねたときの衰弱ぶりは愕然とさせられ、衝撃を受けてしまった。
あまりに悲しい、、、
このときのジョーンの「あなたが普通じゃないから、世界はこんなに素晴らしい」という言葉が救い。

それにしても、チューニングの作った暗号解読機のおかげで戦争は2年早く終わったと言われ、何万人という人が命を失くさずに済んだというのに…
政府はこっそりチューニングの同性愛について揉み消すとかできなかったの?とか思ってしまった。

極秘作戦ウルトラに関わっているからこの間の経歴は話せない→疑わしいから調べられる→男娼との関係が発覚、なのに。
ホルモン剤投与であの頭脳がどうにかなろうと関係なかったの?
あまりに不当な扱いのような気がします。

でも、国にとってのトップシークレット、守るべきものはエニグマ解読が戦争中に成功し、成功したことをドイツ軍に悟られないためにたくさんの命を犠牲にしたということ。
そのために1人の人間の人生や頭脳など関係なかったのでしょう。
悲しいけれど、チューニングも解読成功後に大勢の命<戦争終了を選択している。

レッチリー・パークでウルトラと呼ばれるチームのリーダーとして暗号解読に勤めた溌剌とした彼の最後が、ひとりぼっちでの死(自殺の疑いがある)だなんて、あまりにもやるせなくて涙をこぼしてしまった。

でも、彼の人生は彼のもの。
薬物療法を選んだのもチューニング、婚約者に同性愛を告げ別れをら選んだのもチューニング。
彼は最期のとき、なにを思って眠りについたのかな。